○退職手当条例の一部改正条例同施行規則の一部改正規則の公布について(通知)

昭和45年10月8日

北退号

各組合市町村長宛

このたび10月7日開会の組合議会の議決を経て「北海道市町村職員退職手当組合退職手当条例の一部を改正する条例」を、また、この条例施行上必要のため「施行規則の一部を改正する規則」をそれぞれ10月8日付をもって公布し、即日施行することになりました。

この条例制定趣旨及び条例本則の改正点は、次のとおりですが、この実施は、45年9月1日から適用(一部失業保険法の改正に伴う改正は、45年1月1日から)することとなったので、具体的な事務処理として施行日(10月8日)以後の退職手当(註 現に処理中のもの)は、当然乍ら改正後の条例(以下本書において「新条例」という。)の規定によりこれを算定支給するものとし、適用日(9月1日)から施行日の前日までの間に支給済であるもののうち、新条例の適用を受けることとなる者の退職手当については、新条例の規定により再計算の上、遅くも10月末日までに追給すべきものはこれを追給して完了するよう事務を進めることとしていますので、御了知の上新条例の趣旨及び内容等について職員にしかるべく周知せられるるとともに、事務の取扱いに齟齬の生じないよう、特段の御高配を煩したく、通知旁々御願いいたします。

第1 退職手当条例の一部を改正する条例制定趣旨

現行の退職手当条例の内容は、組合発足(32、1、1)時から5年有余を経た昭和37年12月1日付をもって公務員の退職手当制度と表裏の関連をもつ、年金制度について新共済組合法が施行されたことにより、新しい観点から大巾な内容の改正が行われ、おおむね、国の制度に準じて現行に至る条例に整備されたのである。

以来略々8年を経過し、この間、一般職については、例えば

①短期勤続者の減額規定の廃止②給料月額に関する改正③私傷病、死亡退職者の加算④相互通算制度の新設⑤特殊退職手当制度の新設等の手直し又は改善を図り、おおむね、適正水準の給付を行うに至っているのであるが、近年益々複雑多岐に及ぶ行政事務の第一線に従事する地方自治体の職員については、本制度においてもなお配慮の余地ありとされ、特に経済事情或は世情の著しい変動に伴って、現行制度中次の諸点について改正の必要を認められることから、本条例を制定し、所要の改正を行うものとする。

1 近次、教育長を初めとし、職員各層から退職手当制度の改善に関する要望が相次いでいる状況に鑑み、組合は、組合議会のこれに関する慎重な審査と相俟って、制度全般について再検討を行った結果、道内未加入市町村における退職手当制度運用の実状、道及び府県並びに府県退職手当組合における制度内容の現況その他最近における関連する客観諸事情からも、相応の改善が必要であるとされたこと。

2 失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭44法律83号)の施行に伴い、失業者の退職手当の規定に所要の改正整備の要があること。

3 市町村に勤務する非常勤又は定数外等のいわゆる職員以外の者のうち、職員について定められた勤務時間以上勤務している者の、勤務について一定の条件を満たす者については、これを職員とみなして、退職手当を支給する必要があること。

4 公務上の傷病による休職の期間については、これを退職手当計算の基礎となる在職期間から半減しないこととすることが適当であること。

5 退職手当の支給制度規定において、一般職について地方公務員法第28条第4項の規定により失職した者には退職手当を支給されないが特別職の職員等についても、これに準ずる退職をした場合には支給しない規定を設けることが適当であること。

6 このほか、一般職から引続いて特別職の職員等になった者については、現制度上通算権のほか一般職に限り一種の優遇措置たる勧しょうによる割増の退職手当受給の期待権をも失わせることになるので、各市町村それぞれ一様でない人事関係事務の円滑な運営上任命権者において必要がある場合には、その者の一般職を退職とみなされて支給される退職手当の額は、勧しょうにより支給される額に相当する額の退職手当を支給することができる規定設置の要があること。

第2 改正条例施行に伴う条例本則の改正内容

1 いわゆる職員以外の者の職員とみなす規定(新設)……条例第2条第3項、同第7条の2、規則第7条

2 退職手当算定の基礎となる給料月額について(一部改正)

(1) 一般職……退職の日における給料月額とする。

……条例第2条の2第1項第1号

(2) 特別職の職員等……1年間の給料額の1/12

……条例第2条の2第2号(註 現行と変らず、字句のみ改正)

(註) 一般職の退職手当は、今次改正により退職事由の如何にかかわらず、すべて「退職の日における給料月額」を基礎として計算することになった。ただし、当該市町村は、当該職員に支払われた退職手当が次に該当するときは、その差額を特別負担金として組合に納付しなければならないので特に普通退職の場合において注意すること。

ア 普通退職の場合

①当該算定の基礎となった給料月額が退職前1年内に2号給(……定昇1号のほか特昇1号は可の意)をこえて計算された退職手当であるときは、②これを2号給と仮定して計算して得た退職手当額との差額

イ 勧しょう等による退職の場合

前記と同じ要領であるが、この場合は、3条の4又は3条の5若しくは附則2項で計算された額と前記②による計算した額との差額

(註 上記に関する特別負担金の規定は、条例第17条の2第2項第3項にそれぞれ新設)

3 特別職の職員等に対する支給率の改定(一部改正)

(1) 常勤監査委員、固定資産評価員及び教育長……230

(2) 収入役……250

(3) 助役……300

(4) 長……450

……条例第3条の2各号一部改正

4 一般職から引続き特別職の職員等になった者の退職手当……

第3条の7(新設)

任命権者が必要と認める場合は、一般職期間について受ける退職手当の額は、勧しょうを受けて退職する場合の退職手当の額に相当する額を退職手当として支給することができるものとする。(註 その者の退職は、いわゆる勧しょう退職ではなく「勧しょうによる額と同額を特別加算」できるとの趣旨であること。従って市町村長は当該職員について本条に基いて退職手当を支給しようとするときは、退職手当の申請書に退職事由のほか、「第7条の7の規定適用」の旨明記を要す。)

5 失業者の退職手当に関する改正(第6条全文改正)

要旨……失業保険法の改正に伴う所要の改正を行い、同法の施行日と同じくこの改正部分に限り本年1月1日から適用することとした。改正の主なる点は次に略記のとおり

(1) 失業保険の日額に、扶養手当の日額を加える。

(2) 勤続期間は、前の職員であった期間を一定条件の下に後の勤続期間に通算することとなった。

(3) 広域職業紹介活動に係る給付日数の延長ができることとなった。

(4) 現行規定において給付できることとされている①就職仕度金②移転費は、本来「福祉施設」として別個な制度によるべきであるから、今回失業者の退職手当からこれらの給付は除外された。ただし、社会保障的本制度の性格上、直ちにこれを廃止することは適切を欠くことから、昭和50年3月31日までの間に限りなお継続給付ができることとされ、これに関する経過規定として、附則第4項から第11項までにそれぞれ具体的に列記したこと。

6 公務上の傷病による休職については、勤続期間の半減除算規定から除いた(第8条一部改正)

7 特別職の職員等についても、一般職の職員について定められた欠格条項に該当して失職した場合に準ずる退職をした場合には、退職手当を支給しないこととする。……(第10条2号一部改正)

8 特別負担金について、職員に支払われた退職手当が、退職前1年内に2号給をこえ上位の号給により計算されたものであるときは、これを2号給と仮定して計算して得た退職手当の額との差額を特別負担金として組合に納付しなければならないこと。

……(第17条の2、3新設)

9 施行日等

(1) この条例は公布の日(45、10、8)から施行し、昭和45年9月1日以後の退職に係る退職手当について適用すること。ただし、失業者の退職手当に関する規定は、失業保険法の施行と同じく45年1月1日から施行するものとすること。

(2) 適用日から施行日の前日までに支払済の退職手当のうち、適用を受ける者の退職手当はこれを再計算して追給すべきものは追給すること。

(3) 詐欺その他不正行為により受けた失業者の退職手当に関する規定は、施行日以後に受けた退職手当について適用すること。

(4) 失業者の退職手当の特例

前記5の後段に詳記したので略す。

退職手当条例の一部改正条例同施行規則の一部改正規則の公布について(通知)

昭和45年10月8日 北退号

(昭和45年10月8日施行)

体系情報
第1編 規/第2章 退職手当/ 【通知・通達】
沿革情報
昭和45年10月8日 北退号