○一般職に係る退職手当制度運用について(通知)

昭和46年6月17日

北退号

各組合市町村長、一部事務組合長、(町村会地方事務局長)、(議長会地方事務局長)あて

さきに退職手当条例の一部を改正する条例の施行(45年10月8日付条例第8号)によって、長以下全職員にわたり制度の充実引上げが行われましたが、このうち、一般職の改善要領は、いわゆる支給率改正による方法と異なり、その計算の基礎となる給料月額について、旧条文中「昇給巾について頭打規定」…註(第2条の2第1項1号…自己都合等1号整理等2号止り)を削り、字句どおり任命権者の発令額即「退職の日における給料月額」をもって裁定するものとし、給付内容の実質的な引上充実を図ったものであるが、さらに、今次一般職について改正効果のもつ重要な意義は、これまで組合共同処理方式による唯一の欠点とされた「画一的扱」を改めた点であり、任命権者の裁量権がそのまま退職手当に反映することとなって、当然ながら任命権者において職員の実状に即した適切な運用を可能とする制度に改革されたものであります。

従って、職員個々の退職に際っては、今次改正趣旨を充分ご理解の上「特別昇給」等適切なご配慮をされるとともに、当該特別昇給措置の巾によっては市町村の特別負担もできる制度(通常年間「2号給」をこえる昇給をさせたとき。別記解釈運用について参照)と合わせて、職員各々の実情に応じた優遇措置の講ぜられるよう本制度の効果的運用について何分の御高配を煩わしたく、この段念のため通知旁々御願いいたします。

なお、組合市町村の中で、今次の退手改正措置に合わせ「職員の退職時昇給制度」を新たに給与条例規定に設け、その実効を図っている例があるので、参考までこれを紹介(別紙略)します。また、組合では、この改正によって平年時負担の年間純増加見込額¥4,000万円を当初予算に組込み済ですから処理上の参考として下さい。

(別記)

○改正後の退職手当条例第17条の2(特別負担金)第2項の規定の解釈運用について

1 規定の趣旨

一般職の退職手当制度の改善引上げに当って、事務を掌る組合としては、いわゆる職員個々の任命権を有しないこと及び財源上の制限もあることから、公平、かつ、適正な裁定を行うためには任命権者の措置たる昇給について一定の線を引く要がある。反面それは制度充実の目的に反することになるので、職員に対する制度としては、当該昇給制限を全廃し、そのこえる部分に相当する額については、市町村の特別負担制度を採用し、任命権者の自主的裁量権の加わることにより、個々の職員について実情に即した優遇措置が積極的に推進され、制度の充実を図るものとする。

2 規定の具体的内容

(1) 組合負担の限度となる退職前1年内の昇給巾……退職の日の1年前の号給より2号給上位まで。

(2) 市町村の特別負担……前記2号給をこえる部分に相当する退職手当額……具体的には次の計算例参照のこと。

3 規定解釈上の具体例

○退職手当の計算と市町村の特別負担金の算出要領

この設例の仮定条件






計算内容

1 退職理由と退職年月日……勧しょうにより、46年3月31日退職

2 この者の定期昇給期日……毎年4月1日

3 勤続期間自17年3月15日~至46年3月31日(29年1月)

4 退職の日1年前の日から退職の日までの昇給実態




事項

年月日

給料月額

(ア) 退職前1年前の日

45.3.31

1

11

90,000

(イ) 定期昇給

45.4.1

1

12

93,000

(ウ) 退職の日

46.3.31

1

15

100,000

(エ) (ア)の2号上位(組合負担限度)

1

13

96,000

(オ) (ウ)(エ)=差額の基礎(市町村負担分)

4,000

(カ) 年間昇給巾(ウ)(ア)=4号給(15号-11号=4)

註 「退職の日の1年前の日」は「前年の応当月日」となること。

(期間の計算は、民法第140条の規定によること。これにより、起算日は「退職の日」を含まず、その前日から、1年前の日となること。)

退職手当算出の基礎

A 支給割合の計算

B 基礎給料月額

(1)

給付年数(端数切上)

(2)勧しょう(3条の5)による支給割合

(3)普通退職(3条)の場合の支給割合

(4)

退職の日における給料月額

(5)

退職前1年前2号上位

30年

5,400/100

4,560/100

100,000

96,000

計算内訳

職員に支払われる額

A~(2)×B~(4)=5,400,000円

このうち組合負担分

A~(3)×B~(5)=4,377,600円

差引特別負担額

5,400,000円-4,377,600円=1,022,400円

○設例の2……上記職員が自己都合退職(3条)の場合の計算例

計算内訳

職員に支払われる額

A~(3)×B~(4)=4,560,000円

このうち組合負担分

A~(3)×B~(5)=4,377,600円

差引特別負担額

4,560,000円-4,377,600円=182,400円

一般職に係る退職手当制度運用について(通知)

昭和46年6月17日 北退号

(昭和46年6月17日施行)

体系情報
第1編 規/第2章 退職手当/ 【通知・通達】
沿革情報
昭和46年6月17日 北退号